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by kasekizukan
| 2009-09-12 23:27
| 貝化石
エゾバイ科と称する仲間には、実に多種多様な殻形を有すものが多く、潮間帯から深度1000mを超える深海性のものまで様々であり、このエゾバイ科を好んで収集しているコレクターは少なくない。
本個体は、一見するとカワムラワダチバイに似ているようだが、
縫合下はほとんど平坦で、肩の角は明瞭だ。かと言ってワダチバイほど顕著な螺肋ではない。両者共に現生種の棲息域は500m以深とやや深い。この個体が産出する地層はその共産するイタヤガイ類により、大桑万願寺動物群と考えられているが、シラハマホタテとサドニシキ、エゾキンチャクやコシバは良いとしても、ダイシャカも産出する。私はこれらイタヤガイ類は二次的に組み込まれたものではないかと推測する。それはどう考えても、これらエゾバイとの相性が悪すぎるからである。しかもエゾバイ科の保存状態は良好だが、イタヤガイ類のほとんどが破片、磨耗したものが多く、また殻の変色も著しい。しかもここからは長さ15cmを超えるヒタチオビ類も比較的多く産出した。スミスハネガイ、オオツキガイモドキもだ。
私は、もっともっとここを調べたかった。共産するサメや鰭脚類、クジラなどの骨はどうでもいい、脊椎動物など波に流されてしまえ。もっともっと貝を集めたかったのだが、残念ながら、今は厚い崩落土砂で貝層は完全に埋没してしまった。
鮮新世後期 福島県 大年寺層?
本個体は、一見するとカワムラワダチバイに似ているようだが、
縫合下はほとんど平坦で、肩の角は明瞭だ。かと言ってワダチバイほど顕著な螺肋ではない。両者共に現生種の棲息域は500m以深とやや深い。この個体が産出する地層はその共産するイタヤガイ類により、大桑万願寺動物群と考えられているが、シラハマホタテとサドニシキ、エゾキンチャクやコシバは良いとしても、ダイシャカも産出する。私はこれらイタヤガイ類は二次的に組み込まれたものではないかと推測する。それはどう考えても、これらエゾバイとの相性が悪すぎるからである。しかもエゾバイ科の保存状態は良好だが、イタヤガイ類のほとんどが破片、磨耗したものが多く、また殻の変色も著しい。しかもここからは長さ15cmを超えるヒタチオビ類も比較的多く産出した。スミスハネガイ、オオツキガイモドキもだ。
私は、もっともっとここを調べたかった。共産するサメや鰭脚類、クジラなどの骨はどうでもいい、脊椎動物など波に流されてしまえ。もっともっと貝を集めたかったのだが、残念ながら、今は厚い崩落土砂で貝層は完全に埋没してしまった。
鮮新世後期 福島県 大年寺層?
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by kasekizukan
| 2009-09-11 21:35
| 貝化石
我々になじみ深いホタテガイを初めて学術的な標本としてあつかったのは日本人ではなく、黒船で来訪したペリーであった。彼は停泊した北海道(当時は蝦夷地と呼んだ)でこの標本を手に入れたのであった。種名のエゾエンシスはそこから由来する。
放射肋数は20~25,6本とされているが、これにはかなりガタツキがある。現生種ではその殻の厚みを利用して、シャモジの代用にすることもあるそうだが、この化石種の殻厚はかなり薄い、おそらく泳ぐのには現生種以上にたけていたと思うが、実は彼らがヒトデ以上に怖がるものは、嵐などによる海底の撹拌である。
これは東京都内より産出したホタテガイの右殻の化石である。時代は更新せ前期、上総層群産、百数十万前のものである。ホクリクエンシス、いわゆるトウキョウホタテはこの次の時代、連光寺より出現する。
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by kasekizukan
| 2009-09-10 22:11
| 貝化石