だだっ広い砂取場の中を徘徊するが、何も落ちていない。というか標本になりそうなものが落ちていない。昔ならメジロザメや時に大きなホホジロザメを拾うことができたが、今ではそんなことは本当に希になってしました。一時期、ゴロゴロしていたクジラの骨も一向に見無くなった。今日もダメかな~とクモヒトデ狙いで、泥岩を崩していると、かわいらしいおちょぼ口が顔を出していた。
普通はこいつは砂礫層から産出するのだが、泥層と砂礫層の基底に出てくるとは珍しい。先に泥層に組み込まれ、殻口部分あたりから砂礫層に変化したのである。泥岩から分離させるのは簡単だが、このまま産状が分かる母岩のまま、保存しておくとするか。