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原色 貝・化石図鑑


by kasekizukan

キムラホタテ

 国内の中新世を語る上で、なくてはならないのが、このキムラであろう。カガミと並んで代表的なホタテガイである。緩やかに波打つ太い放射肋、あまり膨らまない右殻とほぼ平たい左殻を合わせると、泳ぎには適していたと思われるが、貝柱は短く、我々の食用には適さなかったかもしれない。ご先祖のコビヤマ様は、それほど大きくならないが、このキムラは殻高12cmを超えるものがあり、さらに適応進化したホクリク、トウキョウでは20cmを超える。しかしl残念ながら最後には絶滅してしまう。
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 普通ホタテガイ類は、浅海域を棲息場に好むのだが、このキムラは沖合のやや深場を主に生息場所に置いていたものと思われる。それは、底面から浸み出す湧水などを好む、オウナガイやツキガイモドキなどと共産するためで、ここからはその証拠に湧水の痕跡がコンクリーションとなって確認できる。
 ここでは少なくとも、このキムラのベットが3層確認できる。しかし、なぜ私だけチサラが取れないのだ~。
多賀層群 九面層
by kasekizukan | 2009-10-04 23:09 | 貝化石